鉄鋼技術のこれからの未来への展望について

2020/04/29

 読者の皆様へ。

 鉄鋼技術のこれからの未来への展望について考えましょう。

 現在、誰もが知っているのが、鉄鋼技術・生産量で世界をリードして

いるのは中国です。

 先ず、鉄鋼生産は、高炉と電炉による生産で2つに分けられる。

 高炉は鉄鉱石とコークスによる化学反応で、鉄の融点約1600℃に

上昇させ融解鉄を型に流し込み冷却し、インゴットを得る方法。

 電炉は鉄のスクラップを電気的熱を加えて融解し、規模が小さく、

電気的にも多くの電気量を必要とし、コストが高炉より格段に掛かる。

 だから、高炉メーカーは電炉メーカーより広大な土地に巨大な設備

を持ち、低コスト、大量生産をしている反面、鉄鋼過多の現在、高炉を

閉鎖せざるおえない。

 鉄は、単体では脆弱で錆易く、炭素その他の元素を混ぜ、延性、強靭

性、高張力性、耐錆性、様々な性質を持たすが、世界中で技術が基準化

されていて、コスト競争に成っている。製品性能に大差が無い。

 一昔前は、大型船舶で良品質の鉄鋼製品を輸出入していたが、自国か

近隣国で生産し、後進国も自国で鉄鋼製品を自給自足出来るまで技術が

高止まりした。

 一方で、欧州は1社が独占製造販売している。

 鉄鋼製品は、その重量や巨大さから、現地生産の方がコスト面、輸送

面でも優れていて、遠方に輸出入すると大幅にコストが掛かり、採算が

取れない。

 日本国は、鉄鋼生産インフラ面でも60年前の設備を使っており、

新興国の最新生産設備での、不良率、良品率、歩留りの面で劣る。

 日本国は、鉄鋼各社の再編を繰返し合理化により、これ以上の生産効

率化が望めない。結果、生産過多に陥り、高炉の停止に追い込まれてい

る。

 改善策は、日本国鉄鋼各社が蓄積してきた合理化された凝縮生産設備

を、海運、陸運に適した土地に工場建設し直し、50年先を見据えた工

場造りをし、又、直ぐにまた効率化設備に交換出来る仕組み造りをする

必要性がある。

 何故なら、鉄鋼工場は、古い工場の設備をカイゼンするより、新しい

広大な土地に新工場を建設した方が、古い工場設備を解体する費用を省

く事が出来るし、この古い工場は何かの役に立てれば良く、工場設備投

資や減価償却を考えても、直ぐに元が取れ、生産の合理化が図れます。

 他方で、大陸の内陸部に工場を建設している鉄鋼企業は、これからの

陸運衰退ディーゼル車の廃絶により、衰退していく可能性があります。

 大型電気自動車での鉄鋼製品輸送は、コスト的にも物理的にも無理が

あると考えられる。

 電気自動車で鉄鋼製品を大量に運ぶ事は困難であり、海運、若しくは

鉄道か燃料トラックによる短い距離の輸送が最善である。

 恐らく、内陸部に存在している鉄鋼企業は、近隣への製品の出荷しか

コストが見合わなく成り、海運の出来る鉄鋼企業の後塵を拝すはずであ

る。

 これは、技術が高止まりしている鉄鋼業界のコスト競争だからです。

内陸部の鉄鋼企業は原材料の仕入れもコスト的に苦しく成る可能性があ

る。鉄鉱石とコークスを輸入に頼っているのならば。

 しかし、不確定要素も多数存在する。環境問題てある。大型台風、湿

度、降雨、陸地の侵食、大気汚染、土壌汚染を考慮して新工場を設立し

ないと、工場設備自体が巨大である為に、多大な被害を被る事も考えら

れる。

 だから、鉄鋼工場は、内湾の海沿いに造るのが通例であり、原材料の

輸入や製品の輸出に頼る企業は、この甚大な被害が出ない様に、

海沿い高台の大型船舶付け出来る場所に、新工場を建設すべきである。

 また、工場は、近接させず、分散建設するのが望ましい。設備の全

被害を止め、また現地生産化出来るからと考えられる。

                  2020年4月29日 著者