2018/08/31
読者の皆様へ。
伝統と異文化との融合について考えましょう。
日本国では、江戸時代の後期まで、『 足袋(たび) 草履 』が靴の代わりに履かれていま
した。伝統として、また、慣れとしてです。
しかし、江戸時代後期に西洋の文化に触れるにつれ、次第に『 靴 』が履かれる様になっ
てきました。これは、1人また1人と、靴の利便性、安全性、動きやすさで用いられ始めたか
らです。
江戸時代までは、日本人はどうしても現代のスリッパ、ビーチサンダルに似た、不便な草履
を履き続けたのです。草履は、トゲが刺さったり、足を怪我したり、走るのが遅かったり、直
ぐに壊れたりしたのに、大事な戦争(いくさ)の時でも、用いられたのでしょう。
誰も、その伝統故に、靴への進化を思い付きませんでした。
それが、明治維新後(鎖国から開国後)に、靴が西洋からもたらされると、恐らく最初は輸入
で、次に自国生産で、一気に皆が靴を履き始めました。中には、俺には草履が合っていると、
草履を履き続けた人もいるでしょうが。
現在は、流行は一気に世界を駆け回りますが、昔は文化の融合に時間がかかったのです。距
離的な問題や、移動方法が最速で馬くらいだったからです。
伝統は、時として、品質の革新を遅らせるものなのです。
続きはまた今度に。
2018年8月31日 著者