2020/01/10
読者の皆様へ。
より高級、より高性能、より安価なものを求める人間心理について考え
ましょう。
高級と高性能には関連性が在ります。お金をかければかける程、より高
性能なものが際限なく造れるからです。しかし、それにより物の価値が上
がり(原価)、売値(買値)が上がります。お金を沢山持っている人は、
それでもその物に価値を見出だし、欲しがります。
また、人間にはより安価なものを求める性質が在ります。損得勘定です
。同じ物でも、地域により値段が変わり、1度より安価な値段を見たら、
それを目安に、更に安価な値段の物を探し回ります。原価低減と購入価格
の低下です。だから、より量販店が物を大量に販売出来るので、拡大して
小売店を駆逐して行きます。
一方で、小売は、何かしら特異な付加価値を付けて存続を図ります。
市場では、新しい付加価値を付けて売り出された物は値段が高いです。
ジェネリック品はその点で、既に既存技術を使うので安価に造れます。だ
から、販売元は、スペックを少しずつ変えて、購入者達の広い層を狙いに
行きます。
しかし、やはり売れ筋は、最新技術を使っている高級品か、既存技術の
安価品に成ります。そして、最新技術が時間経過と伴に古くなり、新しい
技術にとって変わると徐々に売値(買値)が下がり、中間販売価格と成る
訳です。
市場はこれの繰り返しです。ですが、最近は100円ショップ等の普及に
より、何でも安価に物を手に入れる事が出来る時代に成りました。安価品
は壊れ安い(安かろう悪かろう)ですが、購入者から見た製品の値段設定
と耐久性で、計算が入ります。
『壊れたら、また買えばいいや安いから』という理由からです。この心
理で、物が大量生産、大量消費、果ては大切にされずに捨てられる事に成
ります。だから、皆が皆、似たような格好をして見えます。
昔は、物を手に入れたら大切にする時代でした。勉強をする教科書でさ
え、何度も読み返してボロボロに成るまで頭に叩き込みました。今は、飽
きたら次に交換し新しい物を手に入れたがります。これは人にも言えるの
ではないでしょうか?
私は無形の物にお金を使うより、後で手元に残り為に成る物にお金を使
い、溜め込みなるべく捨てないようにしています。捨てるくらいなら、寧
ろ他人に譲り渡します。それでも、物への愛着は変わりません。
最近、物を安く買えるように成ってきた反面、販売元の販売価格も下が
り、社員の給与も下がり始めていませんか。これは、物が人の数より超過
している傾向にあり、一見してデフレに見えますが違う気がします。
国々の経済情勢、社会情勢、色々な要素に左右されます。物を安く買え
ても、国民全体の給与が下がっていたらデフレではありません。貿易収支
によるものである気がします。
皆様はどの様に判断されますか。
続きはまた今度に。
2020年1月10日 著者